🔍 失われた真実を求めて (謎解き編)


『日本神話』は、いっけんすると、稗田阿礼ひえだのあれ の語る
『日本各地の神話伝説』に対して、時の天皇から太安万侶おおのやすまろ に……

【元明天皇】

マロっちゃん、口伝の『土地神話』ってあるやんか。 あれな、はよ文字に残さんと、失われてまうと思わん? したら、日本にとってえらい損失や。せやろ?


だからな、各地の神話知ってる 稗田阿礼ひえだのあれ おるやん。 あれ聞いて、マロっちゃん「書」にまとめといてや!

との令を受けて、 神話伝承が失われる前に、ギリギリ書き留めに間に合った!! このようなイメージがありますが……   ・    ・ 

🎄 サンタクロースはいなかった!

今まで熱心に『日本神話』の神様の話を信じてきた人にとっては、 「子どもの夢を壊す」ような形になってしまって、申し訳ないのですが、実際のトコロは……
神話のような『神様』はいなかった!
そもそも先の、サンタクロース伝説すらも 【サンタクロースの特徴】

 ・ 全身・赤い衣装(白いふちどり)  ・ 空駆ける赤鼻のトナカイのソリに乗る  ・ 身体より大きい、白い袋を背負う  ・ その格好で、煙突から不法侵入  ・ イエス・キリストにちなんだ聖夜に  ・ 子どもの枕元の靴下の中にプレゼント

……事実が1つもないのです。 実際には、4世紀のマイラの司教、Saint Nicholasセント・ニコラス の慈善行為が起源。 元のエピソードは、

結婚前に持参金のなかった貧しい娘たちがいた。 せっかくの新しい門出が台無しになってはかわいそうと、Saint Nicholasセント・ニコラス が、彼女たちを助けるため、窓や煙突から、金貨を投げ入れて助けた

という伝説が元になっていて、 この話がオランダでウケて「Sinter・klaas」となり、オランダの移民がアメリカに持ち込んで「Santa Claus」となって、オモチャ業界も巻き込んで、アメリカで「魔改造」されたサンタクロース伝説が、現在の世界中の人たちが知る、あのイメージ。   ・    ・  歴史とか、伝説というのは『誤解』とか『拡張』の上に成り立っているものなのです。 なので、Saint Nicholasセント・ニコラス の話みたいに、「日本神話も、真実の方を知りたい! 本当は何だったの?」 という方は、『日本神話』には、それ以上の驚くべき新発見が!!

🎓 『日本神話』の秘密は、ここまでバレた!

『日本神話』と聞くと、稗田阿礼ひえだのあれ が語った『各地の神話伝説』を、太安万侶おおのやすまろ がまとめたもの。 そしてその内容は、『日本の神々の話』だとされてますが……
実はこれまでのイメージは、まるっきり違っていたようです
  ・    ・  『日本神話』は神々の伝説を集めたものではありませんでした。 その正体は、天皇家の系譜や側近たちの目立った功績を、神話風に編み上げたものだったのです。
テーブルデザインピンク2行 はて… 何を言っているのか 私の頭では、よくわからないんですけど……
つまり、天皇家にまつわる歴史上の事実を、神話風に、風刺を織り交ぜて記録したもの。 これが『日本神話』の本当の姿だったのです。   ・    ・ 

🎓 『日本神話』は初代陛下&側近幹部の風刺!

作中に『伊邪那岐イザナギ』とか『天照大神』といった神名が出てくるでしょう? あれが誤解の元になってるのです。

伊邪那岐イザナギ』はともかく『天照大神』の方は、日本最大の『伊勢神宮』に祭られている、本物の太陽神!!

だから、普通に見たら『天界の神々の話』に見えてしまいます。 でも、実際に『古事記』に描かれてる内容って、本来の神話のイメージとは、まるっきり違いますよね? 神話のイメージって、本来ならこんな感じでは?   ・    ・  【本来の 神話のイメージ】
  • 神様の顕現エピソード

海に1本の光の柱が立って、1柱の神が顕現された。 そしてその神は、皆に聞こえる形で厳かにこう言った。 「ワテ、神やねん。名前、天之常立アメノトコタチ 言うねん。  以後、皆を導き助けるさかい、よろしゅう〜」 そして、神様の登場以来、本当にその土地は豊かになりました。

  • 神様の『ご神託』エピソード

神様は、誰にとっても姿は見えない。声だけ聞こえる。 そしてその声は、謎めいた『短い詩』の形で降りてくる。 国難を神に相談したときの、神からのヒント!! 「山深き 道走れども まだ着かず  さりとて奇跡 扉は近し」 この言葉に勇気を得て、自信を持って進んだ結果、国難を乗り越えた! 神のお告げに感謝!!

  • 神様との『仲良し』エピソード

ある日神はこう言われた。 「あそこにイイ感じの山あるやん? あれ気に入ったわ。あの山に神社建てて、ワテ祀ってや! そしたら、皆の願い、ぎょーさん聞くさかい」 そして、その地に神社が建ちました。これが、かの有名な〇〇神社の由来です。

  ・    ・  本来『神話』って、こんな感じのイメージじゃありません? 人間側が経験してきた『神様とのエピソード』集。 でも実際には『古事記』の内容って、人間味のある、ドタバタ劇です。 母に会いたくて泣きわめいたとか、田畑に不敬をはたらいたとか、岩陰にヨヨヨと引きこもったとか、ウサっさんをいじめたとか。 なので、作中の配役名こそ『神様の名』を借りて描かれてはいるものの、本当は、実在の人物と、歴史上の事実に基づく『特徴的なエピソード』をいくつか核にした、神話風・風刺物語なのです。
テーブルデザインピンク2行 えっ? 「神様として活躍した」のは 本当だったってこと?
そうではなくて、中国の古文学『封神演義Fēng-shén Yǎnyì』みたいに、事実なのか神話なのか、その境界線が曖昧の、史実風の物語 を作って、側近の功を録す『神名録』にしたって感じ。

🎓 『封神演義ほうしんえんぎ』ってナニ?

封神演義ほうしんえんぎ』とは、歴史的な背景をモチーフにした、神話風の物語。 全体のあらすじは、こんな感じです。

封神演義ほうしんえんぎ』 あらすじ


昔世界はな、仙界(神さんの世界)と人界(人間の世界)の2つやったんやて。 仙界のほうもな、これまたパカッと分かれていてな、人間から仙人になった人らの「闡教Chǎn jiào」と、動物や植物、言うたら自然由来の「截教Jié jiào」や。 意味分からんて? どっちも『道教』が由来で、仙人の方は〝導師〟より格上の〝真人Zhēn Rén〟や。神通力を身につけた、道教の完全体や。 そんで、自然派のほうは〝修験道〟の上位互換の〝内面修行者〟やな。内丹術、めっさ鍛えてはる。   ・    ・  そんでな、人間界治めとったのは 紂王ちゅうおう や。チューの王。キス魔や。 このキス魔のエロいオッサンな、女媧廟Nǚ Wā Miàoの祭祀の時に女神に「ワテ、あんた手に入れたいわ〜」いう詩を詠んだんやけど、これが女神怒らせてもーて、女神が〝狐狸精Hú lí jīng〟いう妖怪使ってチュー王誘惑させるんや。 これがまたエラい美女! 妖怪が妲己に化けてチュー王操ってな、彼な、すっかり暴君魔王に変えられてもーた。 そんで仙界あったやん。仙人の。 そのリーダーやった元始天尊の弟子たちが、なんや大量殺戮の運命に直面してたんや。1500年に一度の劫なんやて。 天の最高神はそいつら使ってな「封神Fēng shén(神格化のこと)いう儀式行ってな、仙人や道士たち、次々と神に変えていったんや。これでルーキー神軍と、チュー王軍の激突や。 この殷周革命(周王朝の誕生)の指揮官が人間の武王や。 彼が仙界の力を借りてバッチバチにやりあうねん。 そんで数多くの仙人、道士の霊魂がまた「封神台Fēng shén tái」から飛んで神になってな、最後、チュー魔王軍は降参して、天の最高神が肩入れしてた、周王朝が『天命』の元、誕生するんや!

この物語は、実際に存在していた歴史上の人物と、想像上の神話(ファンタジー要素)が混ざり合った中国の伝説を描いています。
物語の中で『周』のために戦った英雄や仙人たちは、武術だけでなく、魔術や神通力まで駆使して戦ったわけですが、その聖戦で特に大活躍を見せた英雄や仙人は、のちに封神榜Fēng shén bǎngにその名を刻まれ、神格化される栄誉を受けました。
覚えてほしいキーワードは、封神榜ほうしんぼう!! これは、神の称号を手にした人たちの功績を記した『神名録』で、これに名を連ねることは、最高の栄誉! (歴史の殿堂入り) 彼らの偉業が天にまで届き、歴史の偉人として、永遠に語り継がれることを意味します。   ・    ・ 

 ・ MVP級の功績の者には〝神の称号〟の栄誉  ・ 功を録した『神名録』(歴史の殿堂入り)  ・ 物語そのものは、事実と神話を混ぜ合わせた    風刺の効いた、歴史ファンタジー

あら? 何かと似てますね。 日本の『古事記』や『日本書紀』がやろうとしていたのも、方向性は似たようなもの。 日本の場合の特徴は?

 ・ 〝配役名〟に神名拝借し〝神の称号〟の栄誉  ・ 『神名録』に一族の名が載るのは子孫の栄誉     ↳ (家名が殿堂入り)  ・ 事実を元にした、風刺の効いた『歴史書』

日本の場合は、神話風の『風刺の効いた歴史書』ですが、『神名録』に一族の名が載ることは、その家名が光り輝き、偉人の家系は、永遠に語り継がれることを意味します。 古代日本では、朝廷や神官の役職は、能力や功績ではなく、家系や血縁関係に基づいて選ばれていました。 ですから、物部、中臣、斎部… などの特別な名字はかばねと呼ばれ、格が違ったわけです。 他のおみむらじ伴造とものみやつこなども、頂点の者だけは『神名録』に名を連ねることができ、その子孫もまた家名が光り輝く!!   ・    ・  物語の内容そのものは、英雄伝説でも思想教育でもなく、むしろ『ドタバタ劇』ではあったのですが、その『神名録』に名を連ねることで、彼らの家系は『歴史の偉人の子孫』として光輝く。 それは、中央の側近貴族と、官僚、貴重な技術系集団、有力地方豪族などの『鉄の結束』を生む! これらの効果があったので『神名録』は作成する価値があったのです。   ・    ・ 
日本書紀の扱い

実は日本は古代から、文才の優れた人が朝廷に迎えられました。 仏教伝来まで、日本には『文字』がなかったというのは、あくまで『民衆』の話であって、政府中枢や貿易関連に携わる人々は、かなり古い時代から文字の読み書きができていたのです。 文達者な中国人・朝鮮人を、日本にスカウトしてたので。 そもそも『日本書紀』は中国語で書かれていることをご存知ですか? 一般には『外国向けの日本の紹介書』として作られたのかな? と思われてますが「日本人が、無理して中国語で書いた」という発想だと、そういう解釈になります。 実際は、その逆。 文才のある中国人が朝廷に雇われていて、彼らが中心となって、自国の歴史書を参考にしながら『歴代天皇伝記』を作成したと考えれば、理解は急速に深まります。 この観点から『日本書紀』を見ると『日本書紀』とは中国人たちの書いた『歴代天皇伝記』の原稿のようなもの。 『古事記』は、その要約版で、核の部分を、先に日本語でまとめ直したもの。 そう考えると『日本書紀』の方がプロジェクトとして先に始まっていたことも、『古事記』は途中参加なのに、たった数ヶ月という、驚異的なスピードでまとめあがったことも筋が通ります。

中国側の『封神演義ほうしんえんぎ』は、周王朝の始まりを描いた、中国では非常に有名な物語でした。 そして、太安万侶おおのやすまろ 自身も、『古事記』の序文で『周王』に言及 しています。 ヨソの国の、古代の王の名『周王』に言及。偶然では起こらないことなのです。   ・    ・  NEXT古事記ふるきことぶみ』の謎解き編!!(その2)










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