🔍 日本神話の謎に挑む『古事記こじき』の訳



【古事記・原文と直訳】

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伏惟 皇帝陛下 得一光宅 通三亭 育御紫宸 而德被 馬蹄 之所極 坐玄扈而化照 船頭 之所逮 日浮 重暉 雲散 非烟 連柯幷穗之瑞 史不絶書 列烽重譯之貢 府無空月 可謂名高文命 德冠天乙矣

伏して 天皇の御光 わが家系に得られし 三亭を経て 御紫宸おししんの下 育まれし事 その徳 馬蹄が及ぶ極みに被り 玄扈に化を照らす 舳先を照らし 日の輝きは重なり 雲は散り 煙に非ず 連なる枝に穂を結ぶ瑞兆 歴史の書は今後も絶えず 列烽と重譯の貢物 烽は重ねて譯の貢を系譜に納め 名を高く文に命じ 徳は天乙に冠たり

テーブルデザインピンク2行 漢文も、訳文も、どっちも分からにゃい…… コレ、なんていってるんですか?
このままでは、よくわかりませんよね? 以下は、【原文】の現代訳バージョンになります。
🔱 『古事記ふるきことぶみ』上巻 (序文 その3) 「従五位上」官位 太 安万侶おおの やすまろ (奈良時代)

マロちゃん、陛下の命に従って、『功を録し酬庸しゅうようを与える祀典してんを書き上げたで!! きっと陛下が喜ぶもの、書き上げることができたんや。


ワタクシ安麻呂、天皇の御光が「我が一族」にもたらされたんを、平身低頭、感謝してまんねん。 三大御所橿原かしはら・飛鳥・平城京)の頃からな、「我が一族」が歴代天皇に仕え続けてこれたんを、今、えらい名誉に思てんねん。 その恩恵な、馬の蹄が届く最も遠い所まで及びますわ。真っ暗なとこ明るくするほどや。 陛下の舳先、照らし出してな、お日様が二つあるみたいに、雲は散っていく。煙やないで。雲まで散るんや。 歴史に連なる経歴の枝、先祖から受け継いだ功徳の先端に、陛下は今、いてはる。 この歴史の書は、今後もきっと続きはる。 陛下の命による、古文書の翻訳貢物みつぎものな、天皇家の繁栄と我ら貢献、系譜にしたこと意味すんねん。 この名声、高く届け! との願いで記したことで、天徳の冠なり! と、後世から讃えられるんや!

🎓 『古事記』を理解する、分かりやすい解説

『功を録し酬庸しゅうようを与える祀典してん というフレーズは 『古語拾遺』の第35書 がオリジナルです。 この言葉の指し示す答えは……
最初から『日本神話』のつもりで、書いてなかった
初期の天皇側近たちが、天皇政治の神格化を狙って、神話風の物語を創作したのは事実。 できた話を、各土地の〝語り部〟に降ろして、まるで昔からあった伝承みたいに、口伝伝承として根付かせようとしたことも事実。 ただ『古事記』編纂に関しては、元明天皇も太安万侶おおのやすまろも、これを、神様の話を綴った『日本神話』とは見ていない。
歴代天皇の治世を記した『先代の記録史』のリライト
として扱っている。 ……つまり、『古事記』を初めて訳した本居宣長もとおりのりなが が、その神話風の語り口に惑わされ『日本神話』と誤解しただけで、当人達が書いていたのは、歴代天皇の活躍や事件などを『神話風物語』に織り交ぜた記録史。 神話風の語り口と神様の名を借りながら、歴代天皇の治世をカッコよく記録し、その煌びやかな政治的・社会的業績を後世に残すのが目的だった……。 だから、『古事記』も『日本書紀』も、神話パートに続いて、後継天皇の治世が伝説風に続いてるわけです。 本来は、『神様の話』と『歴代天皇の治世』は、分けて考えられるべきトコロ、つながっているのはそういうこと!   ・    ・  ただ単に、学校で『古文』を習ってたときのように訳すだけでは、真実は見抜けません。 「思い込み」が生じると、本来の意味とは違った解釈がなされがちです。 だから『枕草子』とか『竹取物語』等の訳と違って『神話系』の訳は、見た目と異なる『暗号』が織り込まれているので、めちゃくちゃ訳の難易度が高いのです。 NEXT古事記ふるきことぶみ上巻かみつまき 序文 その6










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