🔍 古語拾遺の完全訳
【原文と直訳】(伝統軽視の警告)
凡 奉造神殿帝殿者 皆須依神代之職 齋部官 率御木麁香二郷齋部 伐以齋斧 堀以齋鉏 然後 工夫下手 造畢之後 齋部殿祭及門祭訖 乃所御座 而 造伊勢宮及大嘗由紀主基宮 皆不預齋部 《所遺四也》
凡そ 神殿や帝殿の造りには 神代の職に従うべし 斎部官は 御木と麁香の二郷の斎部を率い 斎斧で伐り 斎鉏で掘る 工夫と下手が造作を終えた後 斎部の殿祭と門祭を行い その所に御座す 然るに 伊勢宮や大嘗の由紀主基宮の造営には 斎部を預からず 《これが遺憾の四つ目なり》
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なんか表現が古くありません? 私の頭では、意味がよくわからないです…… |
『古語拾遺』第4部 (伝統軽視の警告)
「従五位下」官位 斎部宿禰廣成 (奈良・平安時代)
通常、神殿や天皇の宮殿を建造する時には、古来の慣習に従う必要があります。 斎部の官人たちは、御木麁香と二郷斎部の大工を率い、神聖な斧で木を伐り、神聖な鉞で土を掘ります。 これらの初期作業が完了した後、初めて職人たちが本格的な建造作業に取り掛かります。 建造が完了したことを祝い、斎部の官人たちは神殿と門で祭りを執り行います。 これらの儀式が終わって初めて、その場所は正式に使用の準備が整うのです。 しかしながら、伊勢神宮の建造や、五穀豊穣を祈る大嘗祭用の主要な建物の建造には、斎部が関与できておりません。 これは、重要な伝統を見落としている四つの点のうちの一つでございます。
📼 作者の斎部廣成 一人語り風
これも、陛下のお耳にぜひとも届いてほしい提言でございます。 特に、神殿や宮殿建築は非常に神聖な儀式であり、単なる物理的な建築を超えた、宗教的な象徴でもあります。 このような古来の慣習への敬意は、新帝の治世においても、変わらずに維持されるべきでございます。
🎓 『古語拾遺』を理解する、分かりやすい解説
実はこの儀式、現代にも引き継がれているのです。 地鎮祭という名で。 かなり簡素化されて、しかも、いくつかの誤解の入った形ではありますが。 地鎮祭は、竹と麻(しめ縄)で四方を囲み、聖域を作る。 予定地を鎮魂化し、土地の神々へ建設許可を受けるためのもの。 そのため、神々に対する祈りや供物の捧げ、そして土地を清める儀式が執り行われます。 古来の儀式の方は、鎮魂のためではなく、神聖な建築物を建てる前に土地を浄化し、神域にするためのものでした。しかし、歴史の中で「鎮魂」という解釈が生まれ、現代ではそのように誤解されています。 ・ ・ 橿原宮や平城京のような重要な宮殿の建設は、国家の繁栄や天皇の権威を象徴する重要な要素として、これらの祈りは本格的に行われました。 これらの建物の建築は、国家的なプロジェクトとしての性格を帯びていました。 宮殿は単に政治的な中心地としての機能だけではありません。 神々が直接その敷地内に降臨できて、天皇と意志のやりとりができること……そのような意味合いも持っていたため、その建設は神聖な側面を強く反映していたのです。 また、古代の宮殿建設は、中国の影響を受けた風水の考え方も取り入れられていました。 風水は、地理的な配置や方位を考慮して、最も運気が良いとされる場所や形を選ぶ古代中国の考え方です。 平城京の建設の時は、特にこの風水の影響が顕著で、都そのものも碁盤の目の配置で、都市の方位や道の配置、宮殿や重要な建築物の位置など、全てが計算されていたのです。 四方を塀で囲む構造や、4つの門にも意味があります。 都城や宮殿を四方から塀で囲む構造は、外敵から守るための物理的な障壁もありますが、四方を囲むことで、良い「気」を内部に留め、外部からの悪い影響を遮断する目的がありました。 四つの門の意味についても、四神として知られる神話上の生き物に対応しています。 朱雀(南の門) 南方を守護する神獣で、火の属性を持ち、夏を象徴します。 青龍(東の門) 東方を守護する神獣で、木の属性を持ち、春を象徴します。 白虎(西の門) 西方を守護する神獣で、金の属性を持ち、秋を象徴します。 玄武(北の門) 北方を守護する神獣で、水の属性を持ち、冬を象徴します。 これらの門は、宮殿の設計において、ただの出入り口以上の意味を持っていたのです。 神社の鳥居や内側の豪華な門が、神域の結界をつくる働きがあるのと同じです。
『古語拾遺』第4部 御門に格下げ
