🔍 日本神話の機密をポロリ『古語拾遺こごしゅうい』の訳


今回は、『古事記』の最初の方に出てくる 『天の岩戸後に空に光が戻る』の原形です。
こちらが初期バージョンで、『古事記』の方では、このバージョンを基に話が拡張されたのですが…… 『古事記』側ではどんな描かれ方か? すぐ右下の  リンクから、『古事記』の該当記事 に飛べますので、両者を見比べてみると、どの部分をどう変化させたか? わかりますよ。   ・    ・ 
【原文と直訳】(空に光が戻る)

當此之時 上天初晴 衆倶相見 面皆明白 伸手歌舞 相與稱曰

当該の時 上天は初めて晴れ渡る 衆は互いに顔を見合わせ 面は皆明白となる 手を伸ばし歌い踊り 相与に称して曰く


阿波禮あはれ《言天晴也》 阿那於茂志呂あなおもしろ《古語 事之甚切 皆稱阿那 言衆面明白也》 阿那多能志あなたのし《言伸手而舞 今指樂事謂之多能志 此意也》 阿那佐夜憩あなさやけ《竹葉之聲也》 飫憩おけ《木名也 振其葉之調也》

阿波禮あはれ《天が晴れたるを言う》 阿那於茂志呂あなおもしろ《古語で 事の甚だしいことを皆「阿那」と称し 衆の面が明白なるを言う》 阿那多能志あなたのし《手を伸ばして舞うを言い 今 楽しい事を「多能志」と呼ぶ》 阿那佐夜憩あなさやけ《竹葉の声なり》 飫憩おけ《木名なり その葉を振る調べなり》


爾乃 二神倶請曰 勿復還幸 仍 歸罪過於素戔鳴神 而科之以千座置戸 令拔首髮及手足爪以贖之 仍 解除其罪 逐降焉

爾に 二神は共に請いて曰く 「再び幸いに還ることなかれ」 なお 罪過を素戔鳴神スサノオノミコトに帰し 千座置戸の罰を科す 首の髪と手足の爪を拔いて贖いとし 罪を解き除いて 逐い降ろす

テーブルデザインピンク2行 無事解決なのですね? ところでこれ、どんな意味なのですか?
このままでは、よくわかりませんよね? 以下は、【原文】の現代訳バージョンになります。
古語拾遺こごしゅうい』第1部 (空に光が戻る) 「従五位下」官位 斎部宿禰廣成いんべのすくね ひろなり (奈良・平安時代)

その時、天は初めて晴れ渡り、神々は互いの顔を明るさの中で見ることが叶いました。 皆が手を伸ばし、歌い踊り、一斉に「阿波禮あわれ(天が晴れたという意味)阿那於茂志呂あなおもしろ(古語で「あな」とは非常に重要なことを表し、ここでは「皆の顔が明るくはっきりしている」という意味)阿那多能志あなたのし(手を伸ばして踊ることを意味し、現在では楽しいことを指す)阿那佐夜憩あなさやけ(竹の葉の音)飫憩ゆけ(木の名前で、その葉を振る音を表す)と言いました。 そして、二人の神が共に願い出て、「もう二度と隠れないでくださいませ」と天照大御神に懇願しました。 その後、素戔嗚尊には罪を負わせ、罰として千枚の座布団と戸を課しました。また、彼には髭と手足の爪を抜くことを命じ、これにより罪を償わせました。 そして、彼の罪は許されましたが、元の世界からは追放されたのでございます。

📼 作者の斎部廣成いんべの ひろなり 一人語り風

素戔嗚様が犯された罪は、天界に背く非常に重大なものと罪と見なされました。 その罰として、彼には千枚の座布団と戸に幽閉されるという罰が課されたのです。 さらに、身体的な苦痛を伴う罰も加えられました。 これらの罰は厳しいものでございます。 しかしながら、他の皇族や貴族にとっては、神話や大祓詞に、自らの不名誉な行為が記録されることのほうが、末代までの面汚しとなり、非常に恐ろしいことでございました。 これは、名誉や地位に関わる問題であり、後世にまで影響を及ぼす可能性があったからです。 結果として、素戔嗚様のこの記録が教訓となって、以後の他の皇族や貴族のモラルがより引き締まったのですな。

🎓 『古語拾遺』を理解する、分かりやすい解説

ちなみにこの原文は、冒頭ブロックだけ、古典的な中国語の詩の言葉使い(現代中国語とは異なる)になっています。

當此之時タン ツー ジー シー  上天初晴シャン ティエン チュー チン  ↳ dāng cǐ zhī shí, shàng tiān chū qíng 衆倶相見ジョン ジュ シャン ジェン 面皆明白ミェン ジエ ミン バイ  ↳ zhòng jù xiāng jiàn, miàn jiē míng bái 伸手歌舞シェン ショウ ゴー ウー 相與稱曰シャン ユー チェン ユエ  ↳ shēn shǒu gē wǔ, xiāng yǔ chēng yuē

【特徴】  ・ 古典中国語なので、現代では使われてない古語が多い  ・ 現代中国語に比べて文法構造が簡潔  ・ 深い文学的知識があるエリートの詩に見られる、韻律やリズムを重視してる  ・ 古典中国語の詩なので、言葉一つ一つに深い意味や象徴が入る ……翻訳サイトを駆使したので、これも訳せましたが、『古典』の訳は難しいですよ。 ちょっと言葉に引っかかると、答えに行き着くまで、『古語辞典』とにらめっこですから。 NEXT『古語拾遺』第1部 先祖の古文書の筆写 その10








対面セッション



SNS

↑