🔍 古語拾遺の完全訳



【原文と直訳】(第2部 橿原かしはら宮建築2)

爰 仰從皇天二組之詔 建樹 神籬 所謂 高皇産靈神タカミムスビノカミ 産靈魂留ムスビノタマトメ産靈生ムスビノイクメ産靈足ムスビノタリ産靈大宮賣神ムスビノオオミヤウリノカミ事代主神コトシロヌシノカミ御膳神ミケツカミ 《已上 今御巫所奉齋也》 櫛磐間戸神 豊磐間戸神 《已上 今御門巫所奉齋也》 生嶋 《是 大八洲之靈 今生嶋巫所奉齋也》 坐摩 《是 大宮地之靈 今坐摩巫所奉齋也》

爰に 皇天の二組の詔に従い 神籬を建樹する所謂 高皇産靈神タカミムスビノカミ 産靈魂留ムスビノタマトメ産靈生ムスビノイクメ産靈足ムスビノタリ産靈大宮賣神ムスビノオオミヤウリノカミ事代主神コトシロヌシノカミ御膳神ミケツカミ《已上 今の御巫が奉じる齋なり》 櫛磐間戸神クシイワマドノカミ豊磐間戸神トヨイワマドノカミ《已上 今の御門巫が奉じる齋なり》 生嶋イクシマ《これは大八洲の靈 今の生嶋巫が奉じる齋なり》 坐摩イマスマ《これは大宮地の靈 今の坐摩巫が奉じる齋なり》

テーブルデザインピンク2行 ひえ〜っ! まるで外国語!! 私、学校の「古文」の成績、悪かったんですよね……
このままでは、よくわかりませんよね? 以下は、【原文】の現代訳バージョンになります。
古語拾遺こごしゅうい』(第2部 神武天皇の橿原宮建築2) 「従五位下」官位 斎部宿禰廣成いんべのすくね ひろなり (奈良・平安時代)

このように、天皇のお詔に従い、神聖な神籬を建立したのでございます。 この神籬とは、神聖な塀で囲われた内側の神域のことで、この神々をお祀りするための特別な場所に、 高皇産霊神、産霊魂、留産霊、生産霊、足産霊、大宮賣神、事代主神、御膳神 など、現在宮中の巫女が祭祀する神々が含まれておられるのです。   ・    ・  また、櫛磐間戸神、豊磐間戸神など、現在宮門の巫女が祭祀する神々もお祀りされております。 さらに、生島(大八洲の霊)や坐摩(大宮地の霊)など、現在はそれぞれの地域の巫女が祭祀する神々も、含まれております。 このように、天皇のお詔に従い、神聖な神籬ひもろぎを建立いたしました。 この神籬ひもろぎとは、破邪の法をかけた神聖な塀で囲まれた『神域の結界』のことを指し、特別な場所で神々をお祀りするために設けられております。 ここには、宮内の神域として、高皇産霊神、産霊魂、留産霊、生産霊、足産霊、大宮賣神、事代主神、御膳神など、宮中の巫女が祭祀する神々がお祀りされております。 また、櫛磐間戸神、豊磐間戸神など、宮門の巫女が祭祀する神々も同様でございます。 さらに、生島いくしま(大八洲の霊)坐摩いかすり(大宮地の霊)など、現在は各地域の巫女が祭祀しておられる神々も含まれております。

🎓 『古語拾遺』を理解する、分かりやすい解説

古代の日本神道は、天皇本人が、神と直接語り合えていた時代でした。 この頃の祭祀の特徴は、今と違って、どのように行われていたのでしょうか?   ・    ・  まず、古代の日本神道における神々のとらえ方は、神意を降ろす「神託神」だけでなく、自然現象や特定の土地に対しても、神々は宿ると考えられていました。 例えば、文中の生島いくしまという字……。 これを見ても分かるように、島そのものが霊力を帯びて、生きている! 神聖なものと見なされていたのです。 生島いくしまとは、日本列島全体のことを指すのですが、日々の自然現象(雨・風・雷・地震・洪水・噴火等)これらの自然現象は、野生動物のような大きな音を伴うので、列島そのものが巨大な生き物……。 大地は生きている。鳴動している。日本の大地や自然そのものは、全て神霊の多大なる霊力が宿っていると。 一方、坐摩いかすりとは何か? イカを擦る?? これは、大宮地、つまり大神社に関連する霊源のことを指します。 この霊源の地では、地域ごとの巫女が神聖な儀式を行い、国の繁栄を願っていたのでした。   ・    ・ 
テーブルデザインピンク2行 宮門の巫女と宮中の巫女はどう違うんですか? ただ、配置が違うだけ?
宮門の巫女と宮中の巫女の違いについて。 古代の王宮は四方を高い壁で囲まれ、その区域内は神聖な場所とされていました。 さながら刑務所の壁のように、外部からの侵入を拒んでいたのです。 これは、区内を神聖な霊域として高め、神が直接降りてこられるほどの〝特別な聖域〟とするためです。 『大祓の儀』のときなど、外部の者を招き入れて祭祀を行うときは、まずは宮門の前で武装した警備が待っています。 警備は安全のためですが、武器をわざと見せつけることで、「これはやばい!」とクーデターを未然に防ぐ意味合いもありました。 なので、武器を隠しながら立つのではなく、逆に見せつけるように立っていました。 仁王像みたいな、門の前でにらみをきかせた警備です。 宮殿の入り口や門近くで働く巫女たちは、入口での儀式や参拝者の迎え入れ、神聖な場所への導きなどを担当していました。 一方で、宮中の巫女は、本殿や拝殿などの神聖な場所で祭祀や儀式に関わる巫女です。 彼女たちは、一般の参列者から離れた、高い位置で待機していて、神官と共に神々への供物を捧げる儀式、祈祷、神楽の奉納などを行っていました。 NEXT『古語拾遺』第2部 神武天皇の部下の配属








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