🔍 古語拾遺の完全訳
『古語拾遺』【原文と直訳】(大幣を造る者)
凡 造大幣者 亦須依神代之職 齋部之官 率供作諸氏 准例造備 然則 神祇官神部 可有 中臣 齋部 猨女 鏡作 玉作 盾作 神服 倭文 麻續等氏 而 今唯有 中臣 齋部等 二三氏 自餘諸氏 不預考選 神裔亡散 其葉將絶 《所遺十也》
大幣を造る者は 神代の職に依り 斎部の官が供作の諸氏を率い 例に准じて造備すべし 神祇官の神部には 中臣 斎部 猨女 鏡作 玉作 盾作 神服 倭文 麻續等の氏あり 然れども 今は中臣 斎部等の二三の氏のみで 自餘の諸氏は考選に預からず 神裔は散亡し その葉は絶えんとす 《これが遺憾の十番目なり》
なんか表現が古くありません? 私の頭では、意味がよくわからないです…… |
『古語拾遺』第4部 (大幣を造る者)
「従五位下」官位 斎部宿禰廣成 (奈良・平安時代)
一般に、大幣(祭祀に使用される神聖な道具)を造る際には、神代からの職に従う必要があります。 斎部の官人が、供給や作成を担当する諸氏族を率い、伝統に従って準備を行うのです。 したがって、神祇官の神部には、 中臣、斎部、猿女、鏡作、玉作、盾作、神服、倭文、麻続 などの氏族が含まれるべきです。 これらの氏族は、古来より神事における多様な役割と責任を担ってきたのです。 しかし、現在は中臣、斎部など2.3の氏族が関与しているのみ。 他の氏族は選考に含まれず、神の子孫が散逸し、その系統が絶える危険に瀕しています。 これは、国の伝統における十番目の大きな見落としと言えるでしょう。
📼 作者の斎部廣成 一人語り風
これも、陛下のお耳にぜひとも届いてほしい「中臣」の功罪についてでございます。 他の氏族や、古くからのしきたりを軽んじ、徐々に「中臣」のみに権力を集めているようで、これが私どもには少々心配の種でございます。 陛下にお伝えすべき重要な事柄を、一言で申し上げますと…… 今後の藤原一族には、警戒なさってください。
🎓 『古語拾遺』を理解する、分かりやすい解説
中臣、斎部、猿女、鏡作、玉作、盾作、神服、倭文、麻続などの氏族は、古代日本における重要な職掌を担った氏族でした。カテゴリ | 名称 | 説明 |
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氏 | 中臣氏 | 元は神道の祭祀を司る氏族だが、藤原に改称後 平安期は政治の中枢に君臨。 |
斎部氏 | 天皇祭祀に関わる氏族。神職の世襲家系。 著者の一族。 | |
猿女氏 | 神楽や舞楽の演奏を担当する氏族。 神事では日本舞踊の担い手 | |
鏡作氏 | 鏡を製作の技術集団。 鏡は古代日本において最重要アイテム | |
玉作氏 | 宝石や装飾品を製作する技術集団。 打ち出の小槌。彼らが小槌を振ると宝石が出る | |
盾作氏 | 盾や武具を製作する技術集団。 古代の武器や防具の製作。軍需企業 | |
神服氏 | 神職の衣服や祭祀用の衣類製作の技術集団。 礼服専門の老舗。創業は神代まで遡る | |
倭文氏 | 文書や記録の担当。中国・朝鮮側との通訳も。 彼らが『ご神託』や『事件』も記録に残す。 『古文書』の元ネタ記録係 | |
麻続氏 | 麻を栽培し、布を織る氏族。 古代の衣料産業における製造メーカー |