🔍 日本神話の機密をポロリ『古語拾遺』の訳
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『古語拾遺』の原文の構成は、
【原文の構成】
このようになってます。
今回のページは『古語拾遺』の完全訳シリーズの一部です。
ページ単体の訳だけでなく、全体像はどうなってる? と気になったときは、全体メニューか、最初の1ページ目に戻ってみてください。流れが見えると、内容がぐっと分かりやすくなります。
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▶ 古語拾遺の全体解説(第1ページ)
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このままでは、よくわかりませんよね?
以下は、【原文】の現代訳バージョンになります。
【序文】 … 奈良の現状を嘆く 【第1部】 … 先祖の古文書の書き写し 【第2部】 … 宮殿建設〜ヤマト政権スタート 【第3部】 … 歴代天皇の治世 【第4部】 … 中臣氏の権力増大に対する警告 【第5部】 … 大国主命と卑弥呼のエピソード 【結び】 … 天皇個人に宛てた結び
今回は、『古事記』に出てくる昔話 『海幸彦と山幸彦』の原形です。
こちらが初期バージョンで、『古事記』の方では、このバージョンを基に話が拡張されたのですが……
『古事記』側ではどんな描かれ方か?
初期構想の時は、『山の兄』の存在はなかったようですね。
すぐ右下の ⇲ リンクから、『古事記』の該当記事 に飛べますので、両者を見比べてみると、どの部分をどう変化させたか? わかりますよ。
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【原文と直訳】(海幸彦 原形)
天祖彦火尊 娉海神之女 豊玉姫命 生 彦瀲尊 誕育之日 海濱立室
天祖彦火尊 海神の娘 豊玉姫命と結び 彦瀲尊を生む 誕育の日 海辺に室を建つ
干時 掃守連遠祖天忍人命 供奉陪侍 作箒掃蟹 仍 掌鋪設 遂以爲職 號曰蟹守 《今俗謂之借守者 彼詞之轉也》
是に際し 掃守連の遠祖 天忍人命 供奉し陪侍す 箒にて掃き、蟹を作る 仍って 鋪設を掌り 遂にこれを職とす 号して蟹守と云う《今の俗に借守と呼ぶ者 此の詞の転じなり》
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なんか表現が古くありません? 私の頭では、意味がよくわからないです…… |
『古語拾遺』第1部 (海幸彦 原形)
「従五位下」官位 斎部宿禰廣成 (奈良・平安時代)
天の祖先、彦火尊は、海の神の娘、豊玉姫を妻に迎えられ、お二人には彦瀲尊という御子が授かりました。 彦瀲尊が生まれた日には、海辺に家が建てられました。 その際、掃守連の遠祖である天忍人命が仕え、お二人に随行されたとのこと。 彼は蟹で箒を作り、その場所を清掃する役割を担い、またその場所の設営も管理されました。 結果として、これが彼の職務となり「蟹守」と称されるようになったのです。
📼 作者の斎部廣成 一人語り風
『海幸彦と山幸彦』 なくした釣り針がキッカケで海底に潜り、そこで出会った海の神の姫君と結婚し、姫君が海辺の「鵜の羽」の屋根の産屋で、なぜか蛇の姿で子を産んだ(鸕鶿草葺不合尊)というお話の原形ですな。 ちなみにこの姫君の名は、豊玉姫。 どこかで聞き覚えるある名ですな。
🎓 『古語拾遺』を理解する、分かりやすい解説
『海幸彦と山幸彦』の原形。
構想段階では、このような設定でした。
物語というより、どちらかというと『構想メモ』と、話を書くに至った『由来』の説明。
それがどのように転んで、のちの『神話』になるのか?
その形成過程が分かる、貴重なお話となっています。
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初期バージョンでは、後に古事記版の『海幸彦と山幸彦』で重要な役割を果たす「海の兄」というキャラクターの存在はまだありませんでした。
後に、今回の書を元にして、『古事記』の『海幸彦と山幸彦』としての物語が発展し、話の背景や展開も大きく膨らまされました。
この過程で、海の兄(火照命)や海の王などの新たなキャラクターが追加され、物語本編も、釣り針をなくす話や海底王宮に連れて行かれる(浦島太郎の竜宮城を連想させる)新しい要素が導入され、あの「蟹守」の由来のお話から、どんどん規模が大きくなったのです。
今回の書は『古事記』の『海幸彦と山幸彦』の物語の原点で、知られている神話は、ここから話を膨らませて作られました。
『古語拾遺』第2部 神武天皇東征
